スティーブン・ギルの写真は、情緒や気取ったところがなく、鳩が私たちの世界にいることを示すというより、私たちをハトの世界に連れて行ってくれる。そのレンズは橋の下に忍び込み、隙間から顔を覗かせ、窪みに入り込む。
これは、蔑ろにされる有名無実のハトに、尊厳を与えるイメージだ。ここには自然の風景の中で生活するハトがいる。
人間が他の何者であれ、我々も動物である。
我々の建物はシロアリの土塁、橋はビーバーのダムに似ている。
この人間中心主義の逆転が、ギルの写真をこれほどまでに説得力のあるものにしている。
毛羽立って、まばたきしている、埃と汚れと錆と石灰の中に、私たちは神話的な存在である若いハトを見つけるのだ。
貧乏人や不甲斐なさからは程遠く、とんでもない人間の世界に入り込んでしまいながらも、たくましく生き抜いて成長しているこの若いハトに、哀れみではなく惜しみない尊敬の念を抱くのだ。
彼らは、都会のキツネのように、都会に追いやられ、精一杯の生計を立てている動物界の経済移民だ。
彼らを非難する前に、私たちは自分自身にこう問いかけてみるのがよいだろう。もし、逆の立場だったら、私たちは同じように行動できるだろうか?と。
Will Self
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撮影・編集:Stephen Gill
テキスト:Will Self
デザイン:Melanie Mues
発行:Nobody(協力:the Archive of Modern Conflict)
印刷:EBS(イタリア・ヴェローナ)
サイズ:200 x 252 mm
ページ数:52頁
発行年:2014年
状態:新品、ハードカバー、クロス張り
Photography and Editing: Stephen Gill
Text: Will Self
Design: Melanie Mues
Publication: Nobody in association with the Archive of Modern Conflict
Printing: EBS (Verona, Italy)
Size: 200 x 252 mm
Pages: 52 pp.
Date: 2014
Condition: new, hardcover, cloth-backed
ISBN 978-0-9575369-7-5
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